画家や書家は、お酒が好きな人が多い。

空が白むまで呑んで、語り明かしてしまうことも昔は、結構あった。

お酒を酌み交わす時間。

いつも身につけた心の鎧を脱がせ、素の表情がちらりほらりと垣間見え、その人の隠れた部分を見ているようで面白い。

白熱する議論、ちょっとした無礼講、

腹を割って話し合うと人との心の距離が近くなるように感じることもある。

呑んでいると気持ちも身体も緩み始め、考えがなんとなく柔軟になってゆくような気がする、と同時に感覚の一部が研ぎ澄まされ、なんだか冴えてくるのを感じる。

ふわっとした気持ちも手伝ってか、自分の中にあるおぼろげに夢想していることがあれやこれ、ぽつり、ぽつりと口をついて出てくる。

叶わないことかもしれないけれど、話すことにまったく問題はない。

呑んでいる時は、許されることも多い。

「飲酒の十徳」というものがあるという・・・

禮を正し、勞をいとひ、憂いをわすれ、鬱をひらき、氣をめぐらし、病をさけ、毒を解し、人と親しみ、縁をむすび、人壽を延ぶ

               柳沢 淇園・著「雲萍雑志」(1842年刊)より

なるほど、これは、現代にも通じる。

また、その反対側もあることは言うまでもないことだが・・・。

度を越え過ぎない程度のほどよさが心地よいお酒の原則なのかもしれない。

酒は神の憑代とも言われている。

お酒は神事には欠かせないもの。

芸術もひとつの神事。

見えないものをこの世に降ろし、見える形にするのが芸術家の仕事でもある。

なんとなく宴の席で語り合っていたことが、むくむくと大きな計画となって展開しはじめたりすることもあったりして、面白い。

酔った勢いで膨らんだ構想が、現実化してゆくことに何度か立ち会った。

何気ない宴の席がいつのまにか天のはかりごとだったりして?!と思うことがある。

透明な液体の中に宿った神の力が、なにか面白いことをやれ!とけしかけてくれているのかもしれない。

蘭亭の宴〜お酒にまつわる書・画のグループ展〜
2018年5月19日(土)、20日(日)、25日(金)、26日(土)、27日(日)

親かめ子かめ恒例の企画展。約30名の作家が「お酒」と「宴」をテーマに作品を製作し展示。

※10:00~17:00
※懇親会…5月26日(土)16:00~

主催…書ギャラリー親かめ子かめ/協賛…岡部工房/運営…小文ラボ
WEB…http://www.oyakamekokame.com/blog/rantei2018

髙橋 典子

画家/ライター

1970年、岩手生まれ、宮城県亘理町在住。

2004年から個展活動開始。
個展、グループ展多数。

Horizon(水平線・地平線)をテーマに、日常の中、自己が感じたリアリティーを色彩に置き換えた半具象的な平面作品をミクストメディアで製作。

宮城県をベースとし、関東・関西でも展示。

2016年親かめ子かめにて個展「自然形象~Human as a part of nature」開催。

2016年、2018年、海外遠征グループ・宙色Japan「日仏交流展SUMI」(Espace Japon/フランス・パリ)に参加。

文筆作業として、河北新報・夕刊「まちかどエッセイ」にて連載。
(2016年10月から2017年2月)
また、2014年1月から、ブログ「My Horizon」を開始。
絵の製作のことや日々、感じているモノゴトを綴っている。

”描くことと書くこと”に喜びを感じながら創作活動を行っている。

http://noriko-takahashi.hatenablog.com/

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